逆転満塁ホームラン、なるか?

 東望大久保医院の大久保 仁です。

 諦めきれないので、最後の最後まで粘ります。今、お願いしたい人に手紙を書きました。

 どうか、私の悪いところは改めますので、この手紙を読んでいただきたいです。よろしくお願いいたします。

医者の後継ぎ問題は難しい

 東望大久保医院の大久保仁です。9月9日に記載して以来、ブログサボっていて大変申し訳ありません。

 8月23日、東望大久保医院の継承及び新事業計画書の作成に関して途方に暮れていた私に、なんの見返りもないのに協力を申し出てくださったHさんと電話でお話をし、8月25日の夜、Hさんがわざわざ当院においでくださいました。

 それから9月、10月と本当に毎日のように来ていただき、事業計画はもとより、継承に関しての家族のご相談まで、夜遅くまでさせていただきました。Hさんには本当に心の底から感謝いたしております。少しずつ出来上がっていく計画に胸が躍りました。

 また、厳しいスケジュールの中、新しいテナントの設計を書いてくださった一級建築技師Sさん、会計をしている妻が、本当に狭いながら自分の居場所をクリニックの中に設けていただき、色々Sさんに注文しながら、そして、Sさんが困りながらもその注文に真摯に行えてくださる優しさ、「Mの小部屋」を作ってもらった時の妻の嬉しそうな顔、今、涙が出そうになります。

 Hさんからご紹介いただいたF社のTさん。本当に男前で、様々な医療機器に精通し、無理な注文にも嫌な顔せず、仲介の労をとっていただきました。

 こまごまとコンピュータに関してのアドバイスをいただき、何度となく当院に足を運んでくださった、Iさん、Tさん。

 いろんな愚痴を聞いてくれたMy Brother、キレキレの質問と励ましをくれたMy Sister。

 本当に多くの方に支えていただき、事業計画書も、問題点はゼロではありませんでしたが、織り込み済みでもう少しで、My Sisterが言ってくれる「待っててくれる人がいるよ、頑張りましょう」に届くはずだったのに。

 10月27日金曜日を境に前が塞がってしまいました。原因は一つ。

 医業の後継ぎ問題はもとより、世の中の後継ぎ問題で一つ、その適応(必要十分条件)をあげるとすれば。

 先代が「俺は口の出さない、お前の好きにやればいい」と爽やかに言ってくれること。

 次のものがそれに対して「ありがとうございます」と素直に、真摯に答えることでしょう。その関係が築けているか。そうでないと継承は難しいです。

 妻の気持ちに応えたいけれど、私には絶対に守りたい家族がいます。生活を支えないといけません。

「意気地なしの私ですいません、Mちゃん。」

 すいません、暗い話になっちゃいました。

 でも、今朝、誰もいない車の中で、声に出して3度唱えました。

 「なんとかなる。なんとかする。けど、なるようにしかならん。」と。

 

 

 

傷はきれいなほうがいい

 あんなに汗を流して医院の2階を掃除していたのが嘘のように、九月になって涼しくなってまいりました。今後の医院の継承につき、八月後半、悪戦苦闘しておりましたが、やっと目処が立ってまいりました。

 というわけで、しばらくブログ記載サボっていました、こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。

 本日、以前、国立病院機構佐賀病院で手術をさせていただいた患者さんが、嬉野からわざわざ受診されました。患者さんにお聞きしますと、「嬉野から佐賀に行く時間も、嬉野から当院に今回いらっしゃった時間はそうは変わらなかったですよ」、とのことでしたが。お元気なお顔見れて、嬉しく思いました。

 創は術後半年くらいはやや肥厚した赤みがかっていたので、形成外科の先生とも相談していたくらいだったんですが、4年経過して、少し白いですが平坦にきれいになっていました。良かったです。

 実家に帰ってきて、他にもこれまで手術を担当させていただいた患者さんがお元気だったりした時が一番、外科医冥利につきると思っていました。

 手術創に関しても、手術の時、患者さんの数年先を考え、最後の縫合までお一人お一人、意外とこだわってやっている方だと思っていたので、それは間違っていないと再確信しました。手術の際、どうしても手術の終わりに近づくと、周りでは片付けモードになって行くことも少なくないんですが、私は、「まだ手術は終わりじゃないんだよ」と少し頑固おやじ的にこれまでやってきました。それは結果、いいことなんだと再確認できました。

 創に関して、糸のかけ方、締める力具合、部位や厚さ、持っている疾患別、患者さんそれぞれで違います。手術直後は良くても、時間が経って創は醜くなることもあります。もちろん、気をつけていても肥厚性瘢痕になることもあります。しかし、外科医たるもの、数年先の創にこだわる必要はあると思います。誰でも受けたくて受ける手術はありません。残念ながら、昔あった特番の中国の偽医者のように、手をお腹などに入れて悪いところをとって、傷はない、なんてのはできるわけもなく、我々はあくまでも創を作ることで悪いところを切除せざるをえません。

 外科医を今後オープンシステムを利用して続けていったとしても、手術ができなくなったとしても、そういうこだわりは手術手技だけでなく、医療のいたるところにあります。その「こだわり」を今後も愚直にこだわっていきたいと思う今日この頃です。

電子カルテとマンモグラフィー

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。

 昨日、診療が終わってからマンモグラフィー、電子カルテなどの件である企業さんの営業所に行ってまいりました。帰りは雷、雨のひどいこと。

 乳がん検診でのエビデンス(臨床試験などに基づいた診療や治療の妥当性、証拠)では〜40歳以上の人にマンモグラフィを用いた対策型検診を行うことで乳がんの死亡率が低下(検診率は50%を超える)する〜というものです。

 視触診を行うこと、を乳がん検診に入れても乳がんの死亡率を下げることにはなりません(でも、長崎市でも諫早市でもまだ視触診は乳がん検診に入っています。福岡市の検診では今年から視触診は乳がん検診から省かれました)。超音波検査は日本で行われた十分に精度管理をなされた超音波検査診断であれば、40歳台の人対象という年齢限定で、マンモグラフィーよりもより早期での乳がんを見つけることができることが、J-STARTという臨床試験で証明できました。しかし、それが乳がんの死亡率を下げることができるか、についてはこれからも経過を見て見なければはっきり言えません。

 一方で、若年者(30歳〜40歳台など)に多い高濃度乳腺の人は、マンモグラフィでは雪原で白うさぎを探すようなものですから感度が明らかに落ちます。

 さらに日本人を含めた東アジアの人々は高濃度乳腺の割合が多いです。高濃度乳腺自体が乳がんのリスクとも言われています。

 欧米では乳がん検診を行なった際に高濃度乳腺だということがわかった際にはちゃんとその人に高濃度乳腺であり、乳がんのリスクファクターであることをきちんと告げることと最近なりました。しかし、本邦ではまだ、乳がん検診を受ける割合も先進国の中では低いですし、さらに、マスコミの対応もエビデンスに基づいた正しい報道をしているとは言い難く、高濃度乳腺であることを告げた方が良いかどうかについては現在、時期尚早となっています。

 昨日は、マンモグラフィーとその画像ファイリングシステム、電子カルテの連動についての説明を聞いてまいりました。

 高い画像診断技術にこだわりたい、長崎での乳がん検診の受診率アップに貢献したいと思っています。

 

 

家族

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。

 お盆を挟み、しばらくご無沙汰になっていました。これまでに書く習慣がないとなかなかブログを続けるって難しいですね。

 私には家族がいます。当たり前っていや当たり前ですけど。長いこと医療に携わっているとその中には、「先生、私は天涯孤独の身ですから先生にお任せいたします」という方がけっこういました。その方々に手術する場合でも、やはりどなたか(患者さんが指名されるか、地元の民生委員など)にその説明をしなければなりません。

 血が繋がっていなくても、その方の人柄でそういった話がしやすい場合もありますし、本当に民生委員の方に事務的に話をしないといけなかったこともあります。民生委員の方、大変だなあと思います。

 はたまた、息子さんたちは東京や大阪に移り住んでしまい、自分の親が手術することになっても、多忙とのことで来なかった人たちもいました。なんとなくそんなケースが増えたように思いがするのは私だけでしょうか。家族の関係も希薄になっていっているような気がします。寂しい限りです。高齢化社会真っ只中でますますそういうことが増えていくとたまったものじゃないなあと思ったりします。

 今、自分があるのは親があり、妻があり、子供たちがいるからだなと感謝すべきだなと最近心から思います。