乳癌学会、楽しみ。

 こんにちは。東望大久保医院の大久保 仁です。

 医局を辞して実家に帰ってきて早くも3ヶ月が過ぎようとしています。これまでの勤務医で外来、手術、救急医療などに比べれば遥かに時間に余裕はあり(ヒマで将来、不安になることもありますが)ますが、過ぎ去る時間は医師生活25年で最も早い時間の経過を過ごしています。

 私の専門範囲は消化器(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓などのお腹の臓器)、乳がん、甲状腺ですが、10年目くらいの時にある乳がんの患者さんの診療を受け持たせていただいたことをきっかけに「乳がん」をライフワークにしよう、と決めました(「乳がん」を制するものは「腫瘍学」を制する?と思っています)。

 当時から「乳がん」は、固形がん(白血病などの血液のがんではない悪性腫瘍)の中で、がんの発生や治療に関する考え方が最も進んだ分野であること、科学的根拠に基づく(臨床試験など)治療をその中心に据えていること、ともすれば日本は縦割りでの分野がほとんどですが、診断から手術(外科治療)、薬物療法から緩和治療まで、一から最後まで一つの科の医師が通して患者さんと二人三脚で治療をしていく、というスタイルが私に合っていました。乳腺の分野に内科とか、外科とかの境はなく(乳腺内科なんてのはない)、また、放射線治療を行う場合も、放射線科の先生とよく話し合いながら行うというスタイルで、今では、「チーム医療」という言葉がもてはやされていますが、乳腺疾患の分野ではチームで関わるのが当たり前という感じでした。

 来月、乳癌学会が福岡で開催されます。会長は熊本大学の岩瀬弘敬先生で、私は岩瀬先生の門下ではありませんのでそれほどよく話をする機会はありませんが、かなり以前から学会や勉強会などでお話しさせていただいた際に、そのお人柄に触れ、「こんな先生になりたいな」と思い憧れた存在です(恐れ多いですが)。

 熊本の地震の際は本当に大変な思いをされたことと思います。しかし、学会も最初から福岡で開催予定であったことも幸いしたと思いますが、無事、学会が開かれてよかったです。

 一町医者になっても、ちゃんと自分の専門分野はきっちり勉強してこようと思います。いつもは学会の時は朝から晩まで勉強していました(その晩に自分が発表したことの質問に対する答えを書きだしたり、勉強したことはレポートやパワーポイントにまとめていました)が、今回はちょっと余裕を入れて、「博多山笠」も見てこようと計画していますのでダブルで楽しみです。

ご結婚おめでとうございます‼️

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。

 5月連休に後輩の先生の結婚式にお呼ばれしていましたが、スケジュールの都合で参加できず、申し訳なく思っていました。そのお二人もこの4月に長崎に引っ越しされていましたので、妻と相談し、先生と奥様をお誘いして中島川沿いのイタ飯屋さんでささやかながらお祝いの会食をしました。

 写真は最後のデザートです。妻がお店に方にお願いして、「祝結婚バージョン」にしてもらっていました。お二人も喜んでおられたようだったので、前に「結婚式、ちょっと行けないよ、ごめんね。」と言った心苦しさもちょっぴり解消できました。ちょっとショックだったのは、お嫁さんのお父さんが52歳、お母さんが48歳とお聞きしたことでした。もうそんなんか。息子の顔が浮かびました。

 お二人の出会いの話、お引越ししてから2ヶ月間のことなどお聞きしているうちに自分たちのことも思い出しました(妻に感謝)。

 とっても素敵なお二人でした。

 何かございましたら、ご相談お受けいたします。「長崎で〜買うときはどこ行けばいいの?」の質問はかみさんが聞きますよ、とのことです。

 そういう私たちも結婚して20数年になります。偉そうに「ご相談お受けします」なんて言えない未熟者なんですが、お二人に負けず頑張っていかなきゃな、と気持ちを新たにし美味しいワインに酔った夜でした。

バルサン

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。今日は梅雨らしい雨の日ですが、夕方に大量に降るようなことがニュースで伝えられています。空梅雨だったり、どかっと降ったり、何事も程度が問題ですね。

 このような季節柄、湿気てカビ生えたり、虫が多くなったりで、殺虫剤やカビハイターなどの使用機会も増えるのかもしれません、バルサンの煙をマスク越しに吸って、1日経過したが気分が悪いとの訴えの方がいらっしゃいました。現在の症状は軽度の頭痛、首回りモヤモヤ、時々咳き込むなどの程度で、今から仕事に行かないといけないんだが、なんとなく心配ということでした。

 もともと、殺虫剤?としては、世界にも冠たる日本人の発明と私、密かに思っています蚊取り線香が有名です。蚊取り線香は除虫菊という草花の成分を煙にして利用しており、独特の匂いが嫌いという方はいますが、人間くらいの大きいものにはそれほど無害、かつ、蚊などの昆虫には効果を発揮するという優れものです(毒性、安全性のバランスが良い)。

 それに比べ、バルサン、は煙で燻すタイプ、スプレータイプの殺虫剤です。対象がゴキブリなどになってきますとその殺虫力としての毒性は増しているのでしょう、調べてみるとメトキサジアゾン、フェノトリン、シフェノトリンという3種類の殺虫成分が混合されているようでした。

 僕はよく中毒症の患者さんに対して日本中毒情報センターのホームページを利用しています。それによると、症状として気分不良、頭痛、嘔気、嘔吐、咳等が見られますが、経口で大量摂取し、血中に移行すると意識障害なども出ますが、これは大量の場合、とのことでした。吸入については少量では、状態を見て経過観察、ですが、実際はどの程度吸入したかは吸入した人でもわからないでしょうし、気管支炎、肺炎の発症をチェックするべきとの記載がありました。経験的には以前、種類は異なりますが、塩素系消毒薬の吸入で亜急性の間質性肺炎などを生じた方がおられました。

 当院でも胸部レントゲン写真は取れます。しかし、この場合、その方は現在は何かの治療が必要というほどではなく、しかし、気分はよくないなどの症状があり不安であるとのことでしたし、お仕事の内容にもよりますが、やはり中毒での症状ありケースなので、少なくとも今日はお休みになった方が良いですし、その場合、職場にきちんと休む理由を記載する必要があります。

 中毒センターからの情報は絶対こうあらねばならない、というまではありませんが、そこに記載されていることは一般的なエビデンスと言えるものと考えます。それを患者さんにきちんとお話し、そこで行う検査はある程度の精度(それを診断する精度、確からしさも含めて)が必要であろうと思いますので、今回、呼吸器内科の先生にお任せいたしました(もちろん、お話を聞いただけですのでお代はいただきませんでした。)。

 

 

若年性乳がん

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。

 今朝のニュースで転移性乳がんで闘病中の小林麻央さんがお亡くなりになられたとの報道がありました。小林さんのご冥福をお祈り申しあげます。

 35歳未満と定義されている若年性乳がんは、一般的に再発リスクが高く、予後不良な乳がんと認識されています。しかし、最近の研究では、こ年齢は必ずしも予後不良因子に当たらないとの見解も出されています。

 遺伝性乳がんの一つであるBRCA1/2遺伝子変異の乳がんは生物学的悪性度の高いトリプルネガティブ乳がんが多い、両側乳がんが多い(同時性・異時性発生も多い)、若年発症が多いなどの特徴を有しますので、この若年性乳がんの一部分を占めているでしょうし、また、この年代の女性特有の結婚、出産、妊娠などのライフイベントにも十分に配慮して治療にあたる必要があると思います。

 診断においては、妊娠前後の乳房は乳腺の発達により腫瘍がもし、それ以前に存在していたとしても画像的に診断しにくくなる可能性は高くなると思います。良性の乳腺腫瘍でこの年齢によく見られる頻度の多い線維腺腫は女性ホルモンの影響で大きくなることがある腫瘍です。線維腺腫自体はその後、乳がんになることはありません。以前に組織診断まで行われ、確実に診断がついている例ではそこに後で乳がんが見つかる、ということはまずないでしょうが(でも、以前、線維腺腫の組織診断がなされていたそのすぐ隣から発生していた乳がんの症例は経験したことがありますが)、超音波検査だけで線維腺腫と言われていたものの中に実は乳がんが混じっている可能性は否定できません。

 よって、私は、明らかに画像診断で線維腺腫と思われても妊娠されている方では、どの程度、その腫瘍を気にしているか(もしくは気にしていないか)などをお聞きした上で、必ず、3〜6ヶ月のうちでその腫瘍のサイズや形状をもう一度確認するようにしています。

 

 

父の日、ヨジマル。

 こんにちは、東望大久保医院の大久保 仁です。日曜日の「父の日」に久々に帰ってきた長男と、ちょっとした用事の途中、出島ワーフあたりで一緒に歩いていたら、カメラを持った方が近寄ってきて「KTNのヨジマルという番組で父の日特集をしています。親子でらっしゃいますよね?ちょっと取材させていただいてもいいですか?」と言ってることは怪しいんですが、見た目もお話の仕方もきちんとした方だったので、息子とOKしました。

 お話を聞かれた時間は15分くらいでした。私たちの受け答えが、いかにも慣れていないグダグダだったので、終わった後で息子と「他に見栄えも受け答えもいい親子いるだろうから、ま、でらんやろうね。でも、いい父の日の思い出になったよ」と話していました(ちょっと前に、「父の日、俺は長崎に帰れるかわからないのでちょっと早いけど、これっ、使って」と言って、マッサージのチケットをプレゼントされました。)。

 月曜日のヨジマルで放送と聞いていましたが、暇な私には珍しく、救急の患者さんの対応に追われていました。重症だったので、ちょうど月に1回通院している諫早市の日赤病院に連絡し救急車での搬送をお願いしました。そうこうしているうちに4:20過ぎており、案の定それから先、チラチラ見ていましたが私たちの出番はありませんでしたので、まあ、取材だけでもいい記念になったと思っていました。

 うちに帰ると、妻がビデオを予約録画してくれていたみたいでした。テレビに私と息子がけっこうな時間、映ってました。息子からは「グダグダなところがかえってよかったかもね、でも俺の名前、間違って晶が昌になっていたよね、KTN、名前間違えちゃいかんやろ」とラインで言っていました。「そうよなっ、晶は、日が3つで、晶、なのにな。」

 いい「父の日」の記念になりました。「父の日のプレゼント、どうもありがとう。ありがたく使います。・・・ありがたくって使えんちゃけど・・・」